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ミステリー好き大学教員の気ままなレビュー

とある私立大学のボンクラ大学教員がミステリーのレビューをメインに気ままに思ったことを書きなぐるブログです。

【映画レビュー】トゥルーマン・ショー (字幕版)※ネタバレあり

 

ネットを見ていると様々な所で面白いと言われていた本作は、その評判に違わず、笑える面白さと、メッセージ性を両立させた極めて面白い映画だ。

 

コメディ俳優のジム・キャリー演じるトゥルーマンは、美しい妻をもち、保険会社で働くごく普通のサラリーマンだ。しかし、ある出来事をきっかけに自分の人生に対してある疑問を抱くようになり…

 ※以下ネタバレ注意

 

実はこのトゥルーマンは、本人には知らされていないがテレビ番組「トゥルーマンショー」の主人公として24時間生放送で世界中から見られている。

 

役者の演技にあきあきした人々が、より”生”の表情、行動を観たいと思った結果、なんとTVプロデューサーが望まれずに生まれてきた赤ん坊を養子縁組することで引き取り、巨大なセットと多くのエキストラを配置することで、”本物”の人生をTV番組として提供しようと考えたのだ。

 

もちろん、トゥルーマンが両親や親友、妻だと思っている人物は全てTV番組で用意された役者であり、“父”の死などのイベントも全て番組によって仕組まれた演出である。

 

 そして、これはTVショーであるため、その製作費を稼がなくてはならない。そのため、”妻”メリルがいきなり「これは新商品で○○が入っていてすごくいいのよ。トゥルーマン、さあ食べましょう。」などと言ったり、友人がわざと看板がある所でトゥルーマンに話しかけたりして広告収入を得ている。その様が明らかに不自然であり、現実とのギャップから笑いを誘う。

 

ところが、次第にその笑いは怖さに変わってくる。

 

いわば一人の男の人生をまるで動物園の檻の中にいれて観察して楽しむような悪趣味極まりない番組が企画・実行され、そして世界中で大人気となってしまう世界が非常に恐ろしく思えてくるのだ。

 

しかし、よくよく考えてみると資本主義の世界に生きる僕たちはしばしば経済的な利益を追求して道徳心を忘れてしまっているのも事実だ。そう考えると、この映画は客が望んでいることならどんな事でも叶え、それによって稼いでいる今の資本主義へ警鐘を鳴らしているとも考えられる。

 

また、映画のラストシーンも印象的だ。

 

物語の最後には、『トゥルーマンショー』の存在に気付いたトゥルーマンがTVプロデューサーからの数々の妨害を乗り越えながら舞台の外へと足を踏み出す。そして、視聴者はその様子を固唾を飲んで見守り、トゥルーマンが外へと足を踏み出した瞬間に大喜びしていたにもかかわらず、『トゥルーマンショー』が終わった瞬間に「おい、番組表はどこだ?」ともう興味は次の番組に移ってしまっているシーンで映画はラストを迎える。

 

これも明らかに熱しやすく冷めやすい消費者への皮肉であり、それに振り回されてしまいがちな企業への皮肉でもあるのだろう。

 

もちろん、これは僕個人の勝手な読みであり、他の人のレビューを見る限りこの映画から受け取るメッセージは非常に多種多様だ。それだけこの映画は人々の心に残り、かつメッセージ性豊かな作品であることは間違いない。ぜひとも一度は観るべき良作だろう。