『モネゲーム』は、下ネタがオッケーでアンジャッシュの勘違い系のネタが好きな人にはおすすめできるコメディ映画だ。
ロンドンで絵画の専門家として働くハリー・ディーン(役コリン・ファース)は、雇い主であるライオネル・シャバンダー(役アラン・リックマン)に無能だと散々バカにされていた。
このことを根にもったハリーは、ライオネルにモネの絵画を使った詐欺を仕掛けるために、その詐欺計画で重要な役割を担うPJ・プズナウスキー(役キャメロン・ディアス)のもとに向かうが…
物語はこのように始まる。
※以下ネタバレ注意
詐欺を仕掛ける映画と言えば、「どうやって騙すのか」という点が重要となり、騙す側と騙される側との頭脳戦が展開されると思っていたが、さにあらず。むしろ、本作のメインはどうやって騙すかという部分にはなく、騙すまでのドタバタを楽しむ非常にライトな映画だ。
特に、サボイ(The Savoy Hotel)というイギリスの高級ホテルの受付で、ハリーとプズナウスキーがサギ関連で揉めている様子をホテルの従業員が下世話な勘違いをしてしまう場面や、金の困ったハリーがホテルの廊下に飾ってある明時代の壷をパクろうとしたことから始まるドタバタ劇はテンポが良く、映画に突っ込みながら楽しむこともできる。それに、今アメリカ大統領選挙で話題をかっさらっているドナルド・トランプ氏も名前だけだが登場するのもタイムリーでくすりとしてしまう。
また、最後にはちょっとしたどんでん返しも用意されており、最後の最後まで楽しむことができた映画だ。
中には最後のどんでん返ししかアピールポイントがなく、そこまでの道中が非常につまらない作品もあるが、本作はプロセスと結末のどちらも楽しめる。真剣に観る必要はないけれど、気軽にちょっとした暇つぶしに観るにはもってこいの映画であることには間違いないだろう。
ちなみに、本作にかなりステレオタイプな日本人が登場する。彼らは下手な英語を話し、媚びへつらうような笑顔を見せる。イギリス人から見たら日本人はこんな風に見られているのか、と途中まで悲しくなっていたが、ある重要な役割を彼らにも与えられているのでご安心を。